2018-01-01から1年間の記事一覧

レネットとミラベル四つの冒険

エリック・ロメールの「レネットとミラベル四つの冒険」が早稲田松竹でやるというので出かけてみた。 古い映画なのでスタンダードサイズ(4:3)でフランス語モノラルという視聴環境なんだけど。ちょっと昔のフィルムのザラつき感も良くて、これがすごく落…

万引き家族

話題の映画「万引き家族」の初日を見にtohoシネマズ新宿へ行った。 この映画を見て、なぜか日本の古代人のことが頭に浮かんできた。家族というコミュニティで力を合わせ、狩猟採集をやっていた人たちだ。 歴史の教科書で学んだとおりなら、縄文時代の終わり…

フロリダ・プロジェクト

傑作の呼び声も高い映画「フロリダ・プロジェクト」を見に新宿のバルト9へ出かけた。 フロリダの眩しい空の下で駆け回る子どもたちの躍動に感動させられると思いきや、、しばらくして、憂鬱な気持ちが襲ってきた。 アメリカで“プロジェクト”と言えば社会の…

レディ・バード

脚本家で女優としても活躍するクレタ・ガーウィックが自分自身の高校時代のことを映画化した作品「レディ・バード」を日比谷シャンテに見に行った。 冒頭こんな言葉から始まる。 Anybody who talks about California hedonism has never spent a Christmas i…

犬ヶ島

TOHOシネマズ六本木でウェス・アンダーソン監督のストップモーションアニメ作品「犬ヶ島」を初日に見に出かけた。 映像・グラフィックが愛くるしくて夢中にさせる。 犬の表情や動きのなんと素晴らしいことだろう。一見しただけでよく研究されていることがわ…

レディ・プレイヤー1

任天堂のファミリーコンピューターが我が家にやってきたのは僕が小学校2年生のときだった。ソフトは初期の「テニス」や「ゴルフ」など非常にシンプルなものから始まり、「ゼビウス」「マリオ」にも夢中になった。そういえば誕生日のプレゼントには「スパル…

「三度目の殺人」「彼女がその名を知らない鳥たち」

この二作品を観て、ここに出ている役者というのは芝居で食べているだけあってどの俳優も皆うまいもんだなあとあたりまえの感想を抱いて早稲田松竹の劇場を後にした。 「三度目」では咲江を演じていた広瀬すずが意外に存在感があって、もしかしたらこの娘が事…

代々木上原の幸福書房

代々木上原駅前の「幸福書房」は岩楯幸雄さんが家族経営で営む街の小さな本屋さんだ。 地元の人には親しみをこめて「幸福さん」と呼ばれている。 本が好きな僕は10年前にこの街へ越してきたときに自分の街に馴染みの本屋があることがうれしくて、以来仕事…

スリー・ビルボード

アメリカ映画にはいわゆる「ホワイト・トラッシュもの」というジャンルがあるようだ。ニューヨークやロスのように世界に開かれた大都会とは別次元の村社会が合衆国の中にはあって、南部や中西部ののどかな田舎街が舞台だったりして、美しい風景とは逆に、良…