高根町清里について

暑い日が続いておりますが、みなさんお元気ですか。
僕は子供の頃、一年のうちでは夏が一番好きだったけど年を重ねると、特に東京の夏は体にこたえます。

そしてこのごろ、かつて住んでいた清里の夏を思い出します。

20代中頃、ある事情があって清里に住むことになりまして、それまで東京で多感な時代を過ごしてきたからか、不便な田舎での望まない生活と、そして年齢的にも焦りを感じている時期だったからか清里は嫌いでした。また、時代の波に飲まれた悪しきバブルの残骸や、地元商人に見え隠れする若干いびつな商魂もその当座は受け入れることができなかった。

でも、この清里にはこれらの点を補ってあまり有る優れた部分があったのも事実です。そう、この地域の夏はとにかく快適で涼しくて気持ちいいのだ。だいたい標高1200から1400メートルくらいに位置するのだけれど、これより少しでも下ると昼間は照りつける暑さに悩まされ、かといってこれ以上だと生活できる環境ではなくなってくる。まさにこれは絶妙なポジショニングなのだ。


仕事が早めに終わった夕方前、すぐ隣に住んでいる幼稚園の男の子「はーくん」と少し遊び、それから近所の温泉に行く、熱い湯から上がると山から吹く天然のクーラーが皮膚の上の水滴をさらさらに吹き飛ばしてくれる。きんきんに冷えたやつを一杯飲む。食卓には地元で取れたトマト、なす、枝豆なんかが並べば、これはもう極楽だ。そして夜は部屋の窓をすべて閉め切って、布団をすっぽりかぶっれば3秒で眠ることができた。エアコンなど必要ないことは言うまでもないだろう。

生活における最高の幸せを5つ上げろと言われたら、夜ぐっすり眠れることはそのうちの一つに入ると思う。うまく眠れないことで悩んでいる人も実は結構大勢いるみたいだ。その点で、清里は睡眠に適した屈指の町なのだ。

この夏、時間があったら清里に行ってみようと思っている。