酒の話 ビール

友達づきあいをしていると、酒を飲む人のうちでもビールがとても好きな人とそうでもない人の2つに分かれているのに気がつく。
だからといってそのことが人格形成にどう関係しているかまでは知るところではないけれど、僕はビールが滅法好きな方でこれを飲むことはもはやライフスタイルの重要な一部となっている。どこが好きかって、仕事などを終えた後の一杯に清涼感があるところ、「あー今日も無事終わった」という安心感が得られリラックスするところだろうか。逆に何となくビールが飲みたくないなあと感じる日があったら、それはどこか体の具合が悪いというサインだと思っている。

ビールはいつも近所のなじみの酒屋で買っている。そんなのどこで買っても一緒だというかもしれない、いやいや、酒というのは案外品質の管理が難しいものなので専門店で買った方がやはりおいしい。うちの近所の酒屋はビール一本でも実に丁寧に扱っている。そこは冷蔵庫の中の並べ方を見れば一目で分かるし実際温度管理も最適で、家に帰ってすぐに飲んでも冷え具合にムラがなくおいしい。酒屋では輸入ビールや地ビールの類も豊富で、飲んでいるうちにいつも買う銘柄がだいたい決まってきた。なので今日は我が偏愛の地ビールをいつくか紹介してみたい。

まず、イギリスの「バスペールエール」は安くて気軽に買えるのがいい。これは小瓶で売っているのでコップにあけずに瓶のまま飲んでいる。お行儀悪いなんていわないでくれ、この方が断然うまいのだ。綺麗な琥珀色で黒糖系の良い香りがして、でも甘すぎず、肉料理やポテト、サンドイッチやカレーライスにもよく合う。

ビールは製造法で分類すると「エール」と「ラガー」に二分されるそうだ。エールは上面醗酵という伝統的な製法で複雑な香りとコクがあり深い琥珀色をしている。対するラガーは下面醗酵という製法でホップの苦み、爽やかさが特徴、クリアな黄金色のものが中心だ。日本の缶ビールも多くはラガーである。エールの中でも「スタウト」と呼ばれる製法で有名なのがアイルランドの「ギネス・ビール」だ。ほとんど黒に近い琥珀色、強い味と香り、クリーミーな泡立ちなど他のビールには真似ができない。店では瓶と缶の両方が売られているが、あえて缶を買っている。缶の中にはビー玉が入っているおかげで大きめのグラスにゆっくり注ぐとクリーミーな泡ができる。これがパブで出す生ビールのようになってなかなか楽しいのだ。ゆっくりと味わいたいビールだ。

たまに気分を変えて白ビールが飲みたいときは岩手県地ビール銀河高原ビール」を買う。数年前初めて飲んだとき、まるでベルギービールのようなフルーティーで爽やかな後味に感激したものだ。毎日飲むにはいささか香りが甘すぎるが、たまにならいつもとひと味違う世界に誘ってくれるだろう。好物の魚フライ、シーフード系でやってみたら、わりと合っていた。

香りと味わい、爽快感で現在お気に入りNo.1のビールが「サミュエルアダムス・ボストンラガー」だ。値段が少々高いのと、置いてある店が少ないのが難点だ。僕がもう少し裕福であったらこのビールを冷蔵庫に常備しておきたいと思う。土曜日にスポーツから帰ってきて夕飯の支度をしつつ冷蔵庫からおもむろに取り出しスパッと栓を抜いた瞬間の幸福感たらない。もちろん、コップにあけずにそのままグビグビいく。このビールはアメリカのしかもボストンのビールだけあってスノップでバンカラな匂いがする。都会的なビールだ。

以上、どうでもいい話ですが参考にしていただけたら幸いです。